ギターのボディやネックについた手垢をそのままにしていませんか?ボディーについた手垢などは、練習後すぐに乾拭きすれば簡単に取れますが、蓄積した汚れは、乾拭きだけでは落とせないこともありますよね。
そんな時は専用のクリーナーを使えば、余計な力を入れずに簡単に汚れを落とすことが出来ます。艶出し成分やコーティング剤が入ったクリーナーであれば、強い光沢を取り戻すことが可能です。
でも、どんなクリーナーが良いのか迷いますよね?塗装もいくつか種類がありますので、なんでも良いという訳にはいきません。私は、自分の所有する楽器がセラック塗装でかなりデリケートなので、クリーナーは慎重に選んでいます。
今回は、セラック塗装のようなデリケートな塗装にも使える、おすすめクリーナーを紹介したいと思います。
どのクリーナーを買おうか迷っている方には参考になると思いますので、是非最後までご覧ください。
塗装の役割と種類
ギターにおける塗装の役割とは何でしょうか?
それは、楽器の保護と安定のためです。ギターは木で作られているため、湿気等の影響を受けて伸びたり縮んだりします。ギターに塗装がないと湿気等の影響を大きく受けてしまいます。そのため、塗膜を作って湿気等の影響を受けにくくすることで、木を安定させているのです。(それでも、内側は塗装していませんから、湿気や乾燥によって、影響は受けることになります。湿度の管理が重要になってきます)
また、外見の美しさを出すというのも要素の一つでしょう。よく研磨された塗装はキラキラと輝くので、ステージ上で美しく映りますね。
次に、クラシックギターにはどんな塗装の種類があるのか見ていきましょう。
ウレタン
化学塗料で、速乾性と硬化性に優れた塗装です。早く乾くので、一般的には大量生産のギターに使われることが多い塗装です。塗膜は厚く硬い傾向にあるので、取り扱いに気を使う必要があまりなく、管理が割と楽であると言えるでしょう。
塗膜が厚くなりがちであるため、木の振動を減少させることにつながり、木が本来持つ鳴りを最大限生かすには少し不向きな面がある塗装と言えると思います。
ラッカー
揮発性の有機溶剤で、主にスプレーを使って吹きつけて塗膜を形成します。一般的に楽器にはニトロセルロースラッカーが使われます。塗膜は硬くなり、耐久性に優れ、磨き上げることで強い輝きが生まれます。
乾燥していく過程で塗膜がだんだんと薄くなっていくので、木の鳴りを妨げる度合いはウレタンに比べて低い傾向にあります。
ただし、ウレタンよりもデリケートな塗装であるため、楽器の管理には少し気を使わなければなりません。ゴム製品と反応することで塗装にダメージを与えることがあります。ゴム製のサポート部分を有するギタースタンドなどに立てかける際などは、ゴム部分に柔らかいクロス等を当てておく必要があるでしょう。
カシュー
カシューナッツからとれる油を原料としたもので、特徴としてはラッカーとよく似ている性質を持っており、塗膜が硬く薄くなります。また、ラッカーに見られるようなゴム製品との反応はないので、取り扱いの手間は少ないでしょう。
セラック
ラックカイガラムシという虫の分泌物を純度の高いアルコールに溶かして塗布します。昔から楽器や家具の塗装に使われてきた塗料ですが、人体に無害な物質であるとして、実は錠剤やチョコレートのコーティングにも使われていたりもします。
セラック塗装の特徴は何といっても他の塗装方法に比べて、塗膜を薄く仕上げることが出来るという点です。塗膜を0.02mm~0.03mm程度にまで薄く仕上げることが出来ます。塗膜が薄くできるということは、木の振動を最大限生かすことになるので、鳴りを重視する場合はセラック塗装が最も適していると言えるでしょう。
しかし、セラック塗装は他の塗装に比べてかなりデリケートなので、取り扱いには非常に気を使います。特に夏場などの高温多湿な環境では、塗装が緩くなってしまいがちです。適切な湿度と温度管理が必要となります。
おすすめのクリーナー
ご自身の所有する楽器がどのタイプの塗装なのかによって、クリーナーを選ぶ必要があるでしょう。特にセラック塗装等のようにデリケートな塗装の場合は、慎重に選びたいですね。
私のおすすめするクリーナーを2つ紹介します。
- 「カルナバ・ポリッシュ」
- 「ミスティ クリア・コート・クリーナー」
カルナバ・ポリッシュ
まずおすすめしたいのは、「カルナバ・ポリッシュ」です。
カルナバとは、ブラジル北部に自生するカルナバヤシのことで、このヤシの葉から抽出精製されたワックスにポリッシュ成分を配合したものです。
特徴としては、セラックや、ラッカー、カシューなどの塗装に使うことのできるクリーナーとして販売されています。(使用する前は、目立たない部分で試して変色がないか確認してから全体に使用してください)
カルナバワックスの成分によって、楽器の表面保護や艶出し効果も期待できます。
ミスティ クリア・コート・クリーナー
次におすすめしたいのは、「ミスティ クリア・コート・クリーナー」です。
こちらもセラックやラッカー塗装に使用することが出来るクリーナーとして販売されていますが、この製品の特徴は、コーティング剤を含んでいるところです。コ・ポリマーにガラス繊維とセルロース繊維素を特殊重合させて生まれた、最先端の楽器専用総合コーティング剤で、従来のメインテナンス剤のような油脂系成分を一切含まないので、ほぼすべての楽器に使用可能です。ギターだけではく、管楽器にも使用可能です。(使用する前は、目立たない部分で試して変色がないか確認してから全体に使用してください)
さらに楽器だけでなく、ハードケースの表面やiphone画面などにも使用可能なので、汎用性はかなり高そうです。
専用クリーナーを使うときは、柔らかいクロスを使って優しく拭くようにしましょう。
まとめ
汚れが蓄積してきた時は、専用のクリーナーを使って汚れを落としておきましょう。
ギターをきれいにしておくことで、日々の練習もフレッシュな気持ちで取り組めると思います。
また、発表会などではきれいにポリッシュされたギターの方が断然見栄えが良くなりますよ!
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