クラシックギターで良い音色を出すために重要な要素の一つが、爪をきれいに整えることです。
皆さんはどのように仕上げていますか? 目の細かいサンドペーパーで仕上げている人が多いのではないでしょうか。
今回は、私が長年色々と試行錯誤してきた中で、最短かつ最もきれいに断面を仕上げるための方法を紹介します。仕上げに「あるもの」を使うと、断面のなめらかさを劇的に改善することができます。
爪の重要性
まず、クラシックギターを弾く場合、なぜ爪が重要なのかを考えてみたいと思います。
クラシックギターはピックなどを使わずに指で弾くスタイルですが、爪を使わずに指頭のみで弾いた場合、こもったような音になってしまします。そのため、硬質な爪で弦を弾くことによって、よりシャープでクリアな音が得られるわけです。爪で弾くことによって、暖かみのある甘い音色から明るいシャープな音色まで、音に幅広いニュアンスを与えることが出来ます。
また、現代のギターでは、昔のギター(19世紀ギター等)に比べて大型化し、弦も進化しているので、指頭だけでは十分な音量が得られない、とも言えるでしょう。
この時に重要になってくるのが、爪の形となめらかな断面処理だと思います。
爪の形
ここで言う爪の形というのは、生まれ持ったものではなく、どのような形に爪を切るのか(磨くのか)ということです。これは、爪の形(湾曲具合や厚み、硬さ等)は個々に違うので、一概に正解の形を決めることは困難です。ただし、一つの目安としては、指頭の形状に沿った形で爪を削ることで良いと思います。あとは試行錯誤で自分の良いと思える形を長さを探すことが重要だと考えています。
爪の断面処理
一方で、爪の断面の処理という観点からは、なるべくなめらかな方が良いと言えると思います。なぜなら、弦を弾くときに雑音や変な引っ掛かりが生じることは避けたいからです。特にナイロン弦においては、雑味のないきれいな音を出すために、なめらかな爪の断面が必要です。
では、爪の断面処理にはどのようなものが必要なのでしょうか?
必要な道具
- サンドペーパー(#400番くらいが使いやすいです)
- ベルトの切れ端(仕上げとして使います)
- 台(サンドペーパーや、ベルトの切れ端を置くものとして使います)
- ガラスヤスリ:爪が伸びすぎてしまった場合に、粗削り用として持っていると便利です
サンドペーパー
まず中研ぎ用として、サンドペーパーを使います。軽い力でも割と早く削れるので、#400番くらいが使いやすいと思います。これを台の上に乗せて使用します。ホームセンター等で1枚単位で売っているので、あらかじめ4cm x 6cm 程度の大きさに切り分けておくと便利です。
更にきめ細かいなめらかな断面を求める場合は、#400の次に#800のサンドペーパーで磨いておくのも良いです。
ベルトの切れ端
最後に仕上げ用として、ベルトの切れ端を使います。このアイテムがポイントです。必ずしもベルトの切れ端でなくても良いですが、適度な厚みと革の油分があるので、台の上にベルトの切れ端を乗せて少し力を入れてこすると爪の断面が輝くようにつるつるになります。
ベルトの切れ端が最も効果があると思います。もしなければ、手芸店などで売られている革の端材などでも良いでしょう。
下の写真のように左手で台とベルトの切れ端を固定して、ベルトの端に右手の爪を押し当ててこすります。
台
サンドペーパーやベルトの切れ端を乗せるのに台があると非常に便利です。自分の手のひらに収まるくらいのブロック(5cm x 7cm x 2 cm程度)がおすすめです。私は、黒檀で自作したものを使っています。ホームセンターや材木屋等で自分の好みの木材を買って作るのも楽しいと思います。
ガラスヤスリ
爪が伸びすぎてしまってサンドペーパーでは削るのが大変な時は、ガラスヤスリがあると楽に早く削ることが出来ます。荒研ぎ用として持っておくと非常に便利です。私は、次に紹介する収納ケースに収まるように、コンパクトなガラスヤスリ「ブラジェク」(サイズS)を使っています。水洗い可能であるため、衛生的でおすすめです。
便利な収納方法
上記のアイテムを1つのケースに収納するアイデアもご紹介します。
私は、無印良品の「ポリプロピレン小物ケースL」(サイズ:75×110×46mm)を使用しています。
上記アイテムに加えて、チューナー(KORG AW-4G )も一緒に収納することが出来ます。これを、セミハードケース「スーパーライトケース」のネック下の収納スペースに入れることが出来て、外出先でも爪の調整が可能です。
サンドペーパーは小さいビニールケースに入れておくと、爪の削り粉が飛び散らずに便利です。
収納ケース例
そのままギターのケースへ
まとめ
いかがだったでしょうか?
爪の整え方は色々なやり方があるかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
なめらかな爪の断面処理をして、良い音を追求していきましょう!
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