ギターを弾いてしばらくすると必ずやらなければいけないことがありますね。そうです!弦交換ですね。
初めて弦の交換をする人や、もう一度弦交換のやり方を確認したいという人のために、簡単な弦の交換方法と便利アイテムを紹介していきます。
正しい弦の張り方をしないと、ナイロン弦(特に1弦)が外れてギターの表面板に傷がいってしまう恐れがあります。そのような悲惨なことにならないためのヒントについても詳しく解説します。
早速、新しい弦に張り替えて、フレッシュな音で練習しましょう!
用意するもの
まず弦を交換するために必要なものを用意しましょう!
- 弦
- 専用のニッパー
弦
初心者の方でどんな弦が良いかあまりよくわかないという方には、D’Addario (ダダリオ)の クラシックギター弦 「プロアルテ Silver/Clear Normal EJ45」がおすすめです。
この弦の良いところは、高音弦をPC制御レーザーシステムによって、200箇所に及ぶ測定を行っているため、弦の品質が保たれているところです。音色も癖がなくどんな楽器にも合わせやすい弦だと思います。
3パックのお得セットもあります。
他にも各メーカーから様々な弦が出ています。弦の素材やメーカーによって音も違うので、色々と試して、お好みの弦を探してみてください。低音弦と高音弦で別のメーカーのものを組みあわせるのも面白ですね!
ニッパー
古い弦を外す時と、新しい弦を張った後の余分な部分を切る時に使用します。
必ず弦を切るための専用ニッパーを使用するようにしましょう。なぜなら、4弦~6弦は金属の巻弦となっているので、鉄弦を切るための硬い刃を持ったニッパーが必要だからです。また、ヘッドやブリッジ表面板付近での作業となるため、刃の部分がコンパクトである必要があります。刃の部分が大きかったり重かったりすると、ギターに触れて傷をつける恐れがあるからです。
上記の要件を満たしたおすすめのニッパーは、ピックボーイの「SC-150 ストリングカッター」です。使用頻度にもよりますが、私は20年以上使っていますが、切れ味は変わらず良好です。また刃の部分のコンパクトで軽いので、ヘッド部分やブリッジ表面板付近の作業も非常にしやすいです。
弦の交換手順を解説
それでは、実際に弦を交換していきましょう。古い弦の外し方から解説します。
古い弦を外す
まず糸巻のペグを回して弦を緩めましょう。ペグを回す方向は、ヘッド正面側から見て反時計回りです。弦を弾いて、音が出なくなるまで十分に緩めたら、12フレットあたりで専用ニッパーを使って弦を切りましょう。
ブリッジ側とヘッド側で巻き付いている弦をほどいて取り外していきます。この時に、表面版やヘッドを傷つけないように慎重に弦を外しましょう。私は、弦のパッケージの一部を切り離したものを表面板敷いて、表面を保護しています。ブリッジにマスキングテープで止めると動かないので作業性が上がります。(セロテープ等は粘着跡が残る可能性があるので、使用しないでください)
ギター用の透明な特殊保護フィルもあります。好きな大きさにカットできますので、こちらを使うのも良いと思います。
フレットと指板の掃除
弦をすべて外し終わったら、フレットと指板を軽く拭いておきましょう。
汚れがひどい場合は、専用のクリーナーでお掃除しておくことをおすすめします。また、冬場の乾燥時期などは、指板への保湿(専用のオイル)をしておくと楽器を乾燥から守ることが出来きます。
新しい弦を張る
弦を張る前に、低音弦の張る方向を確認しましょう。
低音弦の方向
低音弦の両端を見ると、一方はしっかり巻かれているのに対して、もう一方は間隔をあけて巻かれていることがあります。
ブリッジ側にはしっかり巻かれている方の端がくるようにしてください。
しっかり巻かれている方をブリッジ側に使いましょう!
低音弦の張り方(ブリッジ側)4弦~6弦
1.ヘッド側からブリッジ側に向かって弦を通します。次に穴から出した弦をヘッド側に折りして、ヘッド側から来た弦の下をくぐらせます。(この時に、正面から見て弦の右側を通ってさらに折り返します。
2.弦の先端をわっかの中に通します。
3.もう一度わっかの中に通します。そうすると写真のように2回ねじれが出来ます。
4.弦の先端がブリッジの側面(弦を通す穴がある面)に来るようにして、弦を指で押さえます。この状態のまま、左手で弦を引っ張っぱると、弦が自らブリッジに巻き付けられます。
5.弦を引っ張ってしっかりブリッジに固定されていることを確認して完成です。
低音弦の張り方(ヘッド側)4弦~6弦
1.ヘッド正面側から裏側に向かって弦を通します。次に、裏側から正面側に向かって弦を折り返します(糸巻の棒の下側から弦を出します)なお、6弦はブリッジから来た弦の左側から出します。5弦と4弦については、右側から出します。
2.弦の先端をブリッジから来た弦と一回交差させてます。
3.弦の端を上に引っ張りながらペグを巻いていきます。(ペグを回す方向はヘッド正面から見て時計周りです。)ペグを巻くときは、ブリッジ側から来ている弦がたるまないように弦をしっかり引っ張りながら、巻いてください。ぐりぐりと引っ張りながらペグを回していくのがコツです。
4.弦が糸巻にしっかりと巻き付いていることを確認して完成です。6弦は糸巻の穴の左側に弦が巻かれます。5弦と4弦は右側に弦が巻かれます。
高音弦の張り方(ブリッジ側)1弦~3弦
基本的には、高音弦も、低音弦と同じ方法で弦を張っていきますが、ナイロン弦は滑りやすいので、少し異なる部分があります。
1.1弦~3弦については、弦を通したら結び目を作ります。(万が一弦が滑ってしまっても抜けないようにするためです)
2.3弦と2弦は、低音弦と同じように2回ねじってブリッジの側面に弦が来るようにします。(この時も、弦の先端がブリッジの側面に来るようにしてください)
3.1弦は、特に滑りやすいので、3回ねじってブリッジの側面に弦が来るようにします。
- ナイロン弦は結び目を作っておく
- 1弦は特に滑りやすいので、3回ねじってブリッジに巻き付ける
高音弦の張り方(ヘッド側)1弦~3弦
ヘッド側も低音弦と同じ方法で巻いていきますが、1弦だけは糸巻に通した後、弦を2回ねじってから巻くようにしましょう。
1弦は糸巻に通した後、2回ねじって巻き上げましょう。
弦が張れたら、チューニングをしておきましょう。
チューニングをする際も、ブリッジ側を確認しながら行いましょう。ブリッジの結びが甘いと、するすると弦が滑ってしまって、いつまでもチューニングが出来ないことがあります。この時は弦がしっかりブリッジの側面で締め付けられているか確認しましょう。
残った弦の処理はいつ行う?
弦を張り終わったら、チューニングが安定するまで、しばらくはそのままにしておくことをおすすめします。なぜなら、弦のチューニングが安定してこないということは、弦が正しく止まっていない可能性があるからです。特にナイロン弦は滑りやすいので、チューニングが安定してきたことを確認してから、余った弦を専用のニッパーで切る方が安心です。
ヘッドの余った弦は、ひとまず「わっか」の状態にしておくと良いでしょう。チューニングが安定したら、ニッパーで切りましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。クラシックギターの弦交換は少し手間がかかりますが、慣れれば、15分程度で完了することが出来ます。
ご紹介した手順を見ながら、まずは焦らずにゆっくりと弦交換に挑戦してみましょう。特にナイロン弦に関しては、解説した注意点をよく確かめながら行ってみてください。
新しい弦に張り替えて、フレッシュな音で練習しましょう!
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