みなさん、楽器の湿度はどのように管理していますか?あまり気にしていないという人も多いのではないでしょうか?
しかし湿度が楽器に与える影響を知ることは、とても重要です。特にクラシックギターのような楽器は湿度を適切に管理することが必須となります。なぜなら、湿度を適切に管理しないとネックの反りやギターの割れにつながる恐れがあるからです。
ギターは木で作られており、木は湿気を吸収したり、吐き出すことによって、伸びたり縮んだりします。とく冬のように乾燥する季節には、木が縮む傾向にあります。その上暖房によって、湿度が極端に下がりすぎると表面板が割れることがあります。
湿度が楽器にどのような影響を与えるのか、適切な管理方法と役立つ便利アイテムを紹介していきます。
適切な湿度管理の知識を身につけることで、大切なギターを良いコンディションに保つことが出来るようになりますから、是非最後までご覧ください。
適切な湿度とは?
まずクラシックギターにとって適切な湿度とはどれくらいでしょうか?
・40%~60%
上記の範囲内に収めるように、湿度を管理すれば良いでしょう。
目安としては、50%前後に湿度を維持できていると理想的です。
湿気が楽器に与える影響
それでは、湿度が低すぎたり、高すぎたりする場合、楽器にどのような影響があるのか具体的に見ていきましょう。
湿度が低すぎる場合
湿度が低い場合、楽器には以下の影響が出てきます。
- 表面板が横方向に縮むため、縦に割れる可能性がある
- 指板が横方向に縮むため、フレットの端が指板の側面から飛び出て、手を怪我する恐れがある
- ネックの反りやねじれが起こる可能性がある
湿度が高すぎる場合
- 表面板が湿気を吸い込み、こもった音になりやすい
- フレットや糸巻の金属パーツの錆の原因となる
- ネックの反りやねじれが起こる可能性がある
特に注意したいのは、乾燥のし過ぎによる表面板の割れです。
クラシックギターの表面板は2mmから3mm程度の厚みしかありません。内側は塗装されておらず、木肌が出ており、湿度の影響を受けやすい構造になっています。特に冬の乾燥時期に、エアコン等の暖房器具による極度の乾燥には気を付ける必要があります。
湿度が高い分に関しては、楽器の割れという観点からはそこまで気を遣う必要はないかもしれません。ただし、セラック塗装などデリケートな塗装の場合などは、高温多湿の環境だと塗装が柔らかくなって傷みやすなります。
また、温度が高いとギターの接着に使われている膠(にかわ)の劣化の原因ともなりますので、夏場のように高温多湿の季節にもしっかりと対策する必要があるでしょう。夏場、車の中に楽器を放置することはNGです。
湿度の管理方法
適切な湿度に保つための方法を解説していきます。
まず湿度計を用意しましょう。
ひと昔前は、アナログ表示の湿度計をケースに入れて湿度を確認するというのが一般的でしたが、最近は便利なアイテムも登場していますので、活用してみると良いでしょう。
特にギター内部の湿度と温度が計測できるものは画期的です。ギターの内部の湿度を計測してしっかりと湿度管理をしたいという人におすすめです。Bluetoothと接続することで、近くにスマホがあれば、スマホの画面から湿度と温度を確認できる優れものです。
ただし、取り付ける際には、マグネットで表面板に取り付ける必要があるので、セラックやカシューなどの塗装のギターには、柔らかい布などを挟む必要があるようです。
目安として湿度を測定出来れば良いという人には、アナログ/デジタル湿度計をギターケースの中の空いているスペースに入れて定期的に確認するという方法でも良いでしょう。後述しますが、ギターをケースにしまっている場合は、この測定方法で十分かと思っています。大切なのは、適正な湿度から大きく外れないように管理することであって、そこまで神経質になる必要はないかと思います。
ここは、ご自身の考え方に近い測定方法を選んで良いかと思います。
ケース内部の空きスペースに入れておく場合でも、デジタル湿度計がおすすめです。温度を測れるものも多く、過去の温度/湿度の記録を一目で確認できる便利なものもあります。
楽器の保管場所(ケースにしまう?スタンドに立てかける?)
湿度を管理するためには、やはりケースに入れておくことをおすすめします。
お部屋を一定の湿度や温度に保つことが可能であれば、スタンドに立てかけておくことも問題ないと思いますが、ケース内の限られた空間の方が、湿度の管理はしやすいと言えるでしょう。
湿度管理の便利アイテム
それでは湿度を管理するためのアイテムを紹介していきます。
加湿除湿兼用アイテム(湿度調整剤)
冬場には加湿を、夏場には除湿をと少し面倒に感じているのではなないでしょうか?そんなときは、加湿除湿兼用のアイテムがあります。
これは、湿度を一定に保ってくれるもので、ケースに入れておけば楽器に最適な湿度に調整してくれるというものです。まずはこれをケースに入れて、湿度計でモニターするという方法もお手軽で良いと思います。
ただし、乾燥しすぎていたり、湿度が高すぎたりする場合は、加湿剤や除湿剤を使ってあげる方が効果的です。湿度計を見ながら、季節や環境に合わせて使い分けると良いでしょう。
常に楽器ケース内の相対湿度45-50%を維持することができる、世界初の2WAY湿度調整システムです。サウンドホールから入れることが出来て、楽器の内部の湿度管理に効果的です。寿命は使用環境によって2-6か月程度です。
サウンドホールの中に入れたり出したりするのが面倒という方には、ケースの空きスペースに入れておくだけのタイプもあります。天然特殊粘土「モンモリロナイト」を原料として、湿度を常に45%±5%に保ってくれます。
加湿専用アイテム
湿度調整剤では効果的ではない場合は、加湿アイテムや除湿アイテムを活用して効率よく適切は湿度を保つようにしましょう。
特に冬場の急激な乾燥対策として、有効な加湿アイテムを紹介します。
水を入れると中でジェル状になり、ゆっくりと水分を発散してくれます。ジェル状なので水がこぼれる心配もありません。
除湿専用アイテム
梅雨の時期や雨でケースが濡れてしまった時などは、乾燥剤を使って効率よく適切な湿度に調整してあげましょう。
まとめ
ギターは木で作られており、水分を吸ったり吐いたりすることで伸びたり縮んだりしています。特に急激に乾燥することで木が縮んで割れてしまうこともあるので、湿度の管理がとても重要です。
いろいろと説明しましたが、一番お手軽なのは、湿度調整剤をギターケースに入れて保管しておくことだと思います。その際は、湿度計もケースに入れて適正は湿度(40%~60%)の範囲内に保つようにしましょう。
梅雨や冬場の乾燥時期には、除湿剤や加湿剤をうまく使ってあげるとより効果的です。
湿度管理をしっかりと行って、大切なギターを良いコンディションで長く愛用してあげましょう!
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